社員の満足度を高めるマネジメントの要点

リーダーやマネージャーの指示や依頼に対して、社員が納得感を得たり、指示や依頼を完遂することで満足感を得たり。

こんな状態を作るためのポイントは、どのようなことなのでしょうか。

今回はそんなお話。

マネージャーの役割

さまざまな役割がありますが、ここではまえがきの内容についてのことを書きます。

マネージャーは、部下のビジネスマンとしてのスキルや人間としての成長を実現させることができるかが問われます。

つまり、「この人がいたから成長できた」と部下に思わせ、その実感と結果が紐づいているかどうか、がポイントになります。

ということは、例えば「雰囲気がよいチームを作る」の意味が馴れ合いや仲良しの集団となっていては、その役割が果たせているとは言い難いです。また、「見て盗め」「部下から教えを乞うのが当たり前」では、部下の成長に大きなばらつきが出過ぎてしまいます。

以下のステップにしたがって部下を理解するところから始めてみるとよいでしょう。

部下の心を解凍する

重要なのは、まずは部下に話を聞いてもらえる状況を作る、ということです。

これは、部下が「聞いているだけ」であったり、「聞いているふりをしている」は含まれません。
話を聞いてもらえる状況を作ることができれば、方針や指示や依頼に対しての部下の反応や行動は大きく変わります。

まずは部下の話を聞くこと。「理解と共感」をマネージャーが部下に示すことです。
理解と共感を生み出す最もシンプルな言葉は2つ。「ありがとう」と「ごめんなさい」です。
この2つの言葉で、人は変わります。

職場において、この2つのシンプルな言葉は、実は案外使われていないのかもしれません。

上司と部下の関係を上下の関係(偉い立場とそうでない立場)と見ている人が多い、であったり、
仕事や業務に対しての価値感がこの2つの言葉の少なさにつながっていそうです。

まずはシンプルな言葉で部下の心を解かすことから始めるとよいでしょう。

変化させる→変化してしまう

話をきいてもらえる前提、つまり部下の心を解凍することができたら、変化の方向性を示していくタイミングです。部下の心を解凍できてから示す方向性への推進力は、解凍できていない場合と比べて明らかに違います。

解凍のステップを踏まずに変化させようとしても、うまくいかない場合が多いでしょう。

合理的であることだけでうまくいくかといえば、そうではありません。それは、人に感情があるからです。人に感情がある以上、こちらの希望を押し付けてもうまくいかない、ということです。

最もまずいパターンは、「部下が指示を聞くのは当たり前」「こちらの言うことだけすればいい」
「聞いてばかりいないで自分で考えろ」のようなマネージャーが変化の方向性を示しても部下は動かず
(動けない、といった方が合っているかもしれません)、マネージャーの示し方がどんどん感情的になり、さらに動きが鈍くなる、という状況です。

解凍をした上で変化の方向性を示すと、変化させるというよりも変化してしまうといった表現の方が合うような状況が生まれてきます。

再凍結する

解凍と変化というステップを経て、その次にふたたび凍結させます。

これは、人の心をもう一度凍結させるという意味ではなく、日々の仕事に変化の方向性を落とし込むということです。

つまり、示した方向性に対して、手順やルールの運用、個々人の役割や役職ごとの役割を固めるということです。

ここまで進めれば、会社やチームは円滑に回っていきます。

おわりに

解凍するステップに対して、「なぜこんなことをしないといけないのか」「そんなことまでしないといけないのか」「昔はこんなことまでしなくてよかった」と思う方もいらっしゃいます。

今のままでうまくいっているなら、今のままでよいと思います。ただ、その「今」はずっと続くことはないですし、大きなものから小さなものまで状況に応じた変化は必ず発生します。

ポイントになるのは、先ほど書いたことは個人の価値観であるということです。それが会社の価値観と一致しているのであれば、少なくとも会社の価値観が変化しない限りはそれでよいと思います。ただ、会社の価値観と一致していないのであれば、部下からすればバラバラな会社だと思う、ということになります。

「会社を強くするリーダーやマネージャーになる①」にも書いたように、マネージャーはリーダーが決めた方向に対して会社を動かす人です。人の動きがバラバラになっては、道を外れず、より速く目的地に到着する、ということが実現できません。

上司から示される方針や指示、依頼に対する行動が早まる。その早まりが個人単位にとどまらずチーム単位で表れる。そうなれば、成長は加速します。

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